外から見えないにもかかわらず、下着の外観に関心を持つという現象は、心理学の立場からも大いに興味がある。女性が自分の外見を演出するアウターウェアや化粧品に強いこだわりを示すのは理解できる。これらが、社会的適応の問題と密接な関わりがあるからだ。所属する集団のメンバーと服装や装飾を共有することは、そのグループへの帰属意識の強さや恭順の意を示すことにつながる。また、服装によって地位や役割を明確化することで、成員問のコミュニケーションを円滑化させる働きもある。さらには、自己の個性や魅力をアピールし、それを認めてもらうことで自己のアイデンティティを確立し、自尊心を養うことができる。しかし、下着はアウターの陰に隠れ、通常は見えないはずである。見えなければ、こうした働きは期待できない。にもかかわらず、女性たちが下着の見栄えにこだわるとすれば、それはなぜなのだろうか。これらは、単なる自己満足であり、社会性とは無縁な現象なのだろうか。あるいは、見えなくてもなおアウターや化粧と同様、どこかで社会とのつながりがあるのだろうか。「なぜ見えない下着にこだわるのか」という疑問を解くことで、「装い」という行動の持つ本質が見えてくるかもしれない。その意味で下着は学術的にも興味深い題材なのである。ただ、こうした議論を進めてゆくためには、女性たちが下着にこだわりを持っているという事実を確認することが前提となる。
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