サンーローランのオートクチュールのアトリエを訪問しました。アトリエは、この館の階上にあり、働いている人たちは長期にわたってサンーローランと共に働いて来た人たちです。中でもムッシュー・ジヤンーピエールは、デイウェアからイヅニングドレス、毛皮まで、6部門180人をかかえる、製作チームの全責任者です。サンーローランとは30年もの長い間一緒に仕事をしてきた人です。いったい、どうしたらあのようなエレガントなドレスやク水遠のテーラード・スーツが生まれるのでしょう。ムッシュー・ジヤンーピエールは、取材しやすいようにたくさんの素材を用意していました。息の合ったサンーローランとジヤンーピエール。このコンビでは、デザイン画をシーチングで型作る第一段階を、ほとんど1回でクリアーしてしまうそうです。どんなに人探しをしても、こんなにすばらしい結び付きは得られないでしょう。2人の問は、言葉では表現できないほどの信頼関係で結ばれているのですね。アトリエ内には隅に1台のミシンしかなく、これはピエールが指示を出す時だけに使うそうです。あくまでも作業は手縫いが主力です。ウールなどの表と芯はまるで生き物のようにお互いを生かし、さまざまな芯が使われていました。どの服からも柔らかな息遣いが聞こえてきそうです。仕上げに平均80時間もかけるという、ていねいな手縫いの集大成がオートクチュールなのです。まとまりよく、皆が近くで仕事をしています。各アトリエには30人ずつがステップーバイ・ステップで作業を進めるのです。オートクチュールで大切なのは、素材の使い方に無理がないこと、そして素材と身体との間の「動き」がダイナミックであること。そんな言葉どおりに出来上がるスーツを見て、オートクチュールの魔法を見ているようでした。
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